【FIRE】FIREの4%ルールが4%である理由。そのほかの%の時ににどのくらいの資産を用意したらいいのか?【論文をもとに解説】

FIREが4%でなければならない理由があるのでしょうか。解説します。

ご挨拶と論文紹介

みなさんこんにちは。未来の先達 ライターの水崎です。このブログでは、現在老後に差し掛かっている方や、これからの老後を準備されている方、FIREを達成しようとしている方に向けて、役立つ情報を私の経験とGoogle Scalarの論文をもとに書いています。

今回は、FIREの4%ルールには理由があるのか、をテーマに論文を調べてきました。人生100年ともいわれている中、退職した後は第二の人生です。FIRE後の生活を豊かに過ごしていくには、どのくらいの資産が必要なのでしょうか。その目安として4%ルールというものがあります。もし、4%でなければどうなるのでしょうか。

みなさんの参考になれば幸いです。

こんにちは!孫のライトだよ!今回参考にした論文はこれ!詳しく解説するよ!

記事の一番下に論文の概要と結論を載せておくよ。気になる人は読んでみてね。

ポチタ
ポチタ

2023年 退職する時期:4%引き出しルール (Time to Retire: The 4% Withdrawal Rule) 著者:Rob Brown(経済学博士)
https://www.cnbc.com/2024/05/13/why-it-might-be-time-to-rethink-the-4percent-retirement-withdrawal-rule.html

2019年 FIRE:退職、健康、長期介護の資金調達 (On Financing Retirement, Health Care, and Long-Term Care in Japan)
著者:Ellen R. McGrattan(ミネソタ大学 経済学教授)
著者2:Kazuaki Miyachi(大阪大学 経済学博士)
著者3:Adrian Peralta-Alva(国際通貨基金(IMF)エコノミスト)
https://www.imf.org/en/Publications/WP/Issues/2018/11/28/On-Financing-Retirement-Health-and-Long-term-Care-in-Japan-46355

2021年 日本における退職、幸福、健康 (Retirement, Happiness, and Health in Japan) 著者:S. Okamoto(同志社大学 経済学部 教授)
著者2:E. Kobayashi(早稲田大学 社会科学部 准教授)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8681795/

目次だよ!

目次

結論

結論:FIREの4%ルールは早期退職のための一般的な指針である。しかし、引き出し率によってリスクが変わるため、リスク管理が重要。

なるほど!早速詳しく見ていこう!

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0.はじめに

最近、若者の間で注目されている「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」は、早期退職を目指すための戦略です。この戦略の中で、特に「FIRE 4%ルール」が話題になっています。しかし、なぜ4%なのか、そして他の%ではどうなるのかを理解することは、成功への鍵となります。この記事では、その理由と他の引き出し率を考慮した際の必要資産額について論文をもとに解説します。

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1. FIREの4%ルールとは

「FIRE 4%ルール」は、引退後に年間の生活費の4%を投資資産から引き出すという方法です。これは、退職後に資産が尽きるリスクを最小限に抑えるためのガイドラインとして広く認識されています。

1.1 4%ルールの背景

このルールは、1994年にウィリアム・ベンゲン氏が提唱したもので、過去の米国株式および債券市場のリターンデータに基づいています。彼の研究によれば、4%の引き出し率であれば、30年間資産が枯渇しない確率が非常に高いことが示されました。例えば、年間の生活費が400万円であれば、1億円の投資資産が必要になります。

過去30年のデータに基づいているんだね!

1.2 4%ルールの根拠

「FIRE 4%ルール」の根拠は、株式と債券の歴史的なリターンに基づいています。一般的には、株式市場の平均リターンが約7%、債券市場のリターンが約3%とされており、これらを組み合わせることで、4%の引き出し率が安全とされています。しかし、これは過去のデータに基づくものであり、未来の市場環境が同じとは限りません。

「株式と債券のリターンを合わせて4%」としているんだね!分散もできているな~。

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2. 他の引き出し率の影響

4%ルール以外の引き出し率を考慮した場合、どのくらいの資産が必要になるのか、またそのリスクと利点について説明します。

2.1 3%の場合

もし引き出し率を3%に設定した場合、必要な資産額は増加します。例えば、年間の生活費が400万円の場合、必要な投資資産は1億3,333万円になります。3%の引き出し率は、より保守的なアプローチとされ、資産が枯渇するリスクがさらに低くなります。しかし、そのためには多くの資産を蓄積する必要があります。

3%ルールを実践するためには、以下のような方法が有効です:

  • 節約の徹底:生活費を削減し、より多くの資金を投資に回す。
  • 高収入の仕事を目指す:収入を増やし、早期に目標資産額を達成する。
  • 投資戦略の多様化:リスクを分散し、安定したリターンを目指す。

リスクは減るけど、必要な資産はかなり増えるね!

2.2 5%の場合

一方で、引き出し率を5%に設定すると、必要な資産額は減少します。年間の生活費が400万円の場合、必要な投資資産は8,000万円になります。しかし、5%の引き出し率はリスクが高く、長期的に資産が枯渇する可能性が増します。

5%ルールを実践するためには、以下の点に注意が必要です:

  • 市場の動向に敏感になる:市場の変動に応じて引き出し額を調整する。
  • 柔軟な生活費の管理:市場が悪い時には生活費を削減するなど、柔軟に対応する。
  • 追加収入の確保:副業やパートタイムの仕事を続けることで、収入源を増やす。

資産が減ってしまうリスクが高まってしまうんだね!必要な資産は少なくなるけど・・・。どっちがいいかは自分の資産の状況と相談だ!

2.3 引き出し率が10%の場合

引き出し率を10%に設定する場合、必要な資産額は大幅に減少します。年間の生活費が400万円の場合、必要な投資資産は4,000万円です。しかし、10%の引き出し率は非常に高リスクであり、資産が早期に枯渇する可能性が極めて高いです。

10%ルールを採用する場合、資産が早期に減少するリスクを理解することが重要です。市場の動向に敏感になり、資産の減少に対して迅速に対応する必要があります。例えば、生活費の大幅な削減や、非常に高いリターンを狙った投資が求められますが、これには大きなリスクが伴います。

10%ルールを実践するためには、以下の対策が考えられます:

  • アグレッシブな投資戦略:高リターンを狙った株式や不動産投資など、リスクの高い投資を行う。
  • 定期的な資産評価:資産の状況を常に把握し、必要に応じて引き出し額を調整する。
  • 緊急時の計画:資産が枯渇した場合に備え、緊急時の収入源や生活費削減策を準備する。

投資で年利10%はかなりハイリスクとされているよ。どんどん資産が減っていってしまいそう。

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3. 生活水準の維持と引き出し率

引き出し率の選択は、リタイア後の生活水準に大きく影響します。引き出し率を低く設定すればするほど、生活水準を高く維持するためには多くの資産が必要になります。逆に、引き出し率を高く設定すれば、必要な資産額は減少しますが、生活水準の維持が難しくなります。

3.1 生活水準と資産のバランス

リタイア後の生活水準をどのように設定するかは、個々の価値観やライフスタイルに依存します。贅沢な生活を維持したい場合は、低い引き出し率を採用して多くの資産を蓄積する必要があります。逆に、シンプルな生活を選ぶなら、高い引き出し率でも対応できるかもしれません。

具体的な方法としては:

  • ライフプランの作成:リタイア後のライフプランを詳細に作成し、必要な資産額を明確にする。
  • 予算管理の徹底:生活費を管理し、計画通りの支出を維持する。
  • 定期的な見直し:生活水準や引き出し率を定期的に見直し、必要に応じて調整する。

とにもかくにも、絶対的な正解はないから、自分の資産の状況と相談だね!

3.2 引き出し率の柔軟な管理

引き出し率を柔軟に管理することも重要です。市場の状況や自身の生活状況に応じて引き出し率を調整することで、資産の持続性を高めることができます。例えば、市場が好調なときは引き出し率を少し上げ、逆に市場が不調なときは引き出し率を下げるといった調整が有効です。

具体的な方法としては:

  • マーケットウォッチ:市場の動向を常に監視し、適切なタイミングで引き出し率を調整する。
  • 専門家のアドバイス:ファイナンシャルプランナーや投資の専門家からアドバイスを受ける。
  • 柔軟な予算設定:年間予算を柔軟に設定し、市場の変動に対応できるようにする。

市場の状況に合わせて、引き出し率を変えていくのはアリだね!

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4. 4%ルールのリスクとその管理

「FIRE 4%ルール」は安全とされていますが、リスクも存在します。リタイア後の長期的な市場の変動や予期せぬ支出に対する対応が必要です。ここでは、4%ルールのリスクとその管理方法について詳しく説明します。

4.1 市場の変動に対する対応

市場は常に変動します。リタイア後に市場が下落する場合、4%の引き出しが資産に与える影響は大きくなります。市場の下落時に同じ引き出し率を維持すると、資産が早期に減少するリスクがあります。

具体的な対策としては、引き出し率を調整することが有効です。市場が下落した場合には一時的に引き出し率を下げることで、資産の減少を抑えることができます。また、分散投資を行うことで、リスクを分散させることも重要です。株式、債券、不動産などに分散投資することで、市場の変動に対してより安定したリターンを得ることが可能になります。さらに、緊急予備資金を確保しておくことで、市場が不安定な時期に備えることができます。

暴落の時期にFIREや老後を迎えると不安で押しつぶされてしまうかもしれない・・・。だからこその分散投資だね!

4.2 予期せぬ支出への対応

リタイア後には、予期せぬ医療費や生活費の増加など、計画外の支出が発生する可能性があります。これに対応するための備えが重要です。

具体的な対策としては、保険の利用が有効です。医療保険や長期介護保険に加入することで、予期せぬ医療費のリスクを軽減することができます。また、緊急時の資金計画を立てることも重要です。予期せぬ支出に備え、緊急時に利用できる資金を別途確保することで、安心してリタイア生活を送ることができます。さらに、柔軟な支出管理を行い、必要に応じて支出を削減することで、予期せぬ支出に対応することができます。

病気とかのリスクも検討しなくてはいけないね!

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5. 引き出し率を変える場合の戦略

引き出し率を変える場合、適切な戦略を立てることが重要です。例えば、3%や5%、10%といった引き出し率に応じた具体的な戦略を考察します。

5.1 3%引き出し率の戦略

3%の引き出し率は保守的なアプローチであり、資産の長期的な持続性を高めます。この戦略を採用するためには、より多くの資産を蓄積する必要がありますが、リスクは低減されます。

具体的な戦略としては、高い貯蓄率の維持が挙げられます。現役時代に高い貯蓄率を維持し、早期に目標資産額を達成することで、3%の引き出し率でも安心してリタイア生活を送ることができます。また、節約の徹底も重要です。生活費を徹底的に管理し、無駄な支出を避けることで、必要な資産を蓄積することができます。さらに、安定した投資ポートフォリオを組むことで、リスクを分散し、安定したリターンを目指すことが可能です。

安全に行くなら3%!その分生活を切り詰めるか、資産を増やすかしないといけないね!

5.2 5%引き出し率の戦略

5%の引き出し率はリスクが高くなりますが、必要な資産額は減少します。この場合、資産の減少リスクを管理するための柔軟な対応が求められます。

具体的な戦略としては、市場の動向に応じた調整が重要です。市場が好調なときに多くを引き出し、低調なときに引き出しを控えることで、資産の持続性を高めることができます。また、副業やパートタイムの活用も有効です。追加の収入源を確保することで、資産の減少リスクを補うことができます。さらに、高リスク・高リターン投資を行うことで、一部の資産を高リターンを狙った投資に振り向けることも戦略の一つです。

ハイリスクハイリターンで行くなら5%!市場の動向には注意していきたいね!

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6. FIRE達成後の生活設計

FIRE達成後の生活をどのように設計するかは、成功の鍵です。持続可能なライフスタイルを維持し、予期せぬ事態に備えることが重要です。

6.1 持続可能なライフスタイル

持続可能なライフスタイルを維持するためには、収入と支出のバランスを保つことが必要です。無理のない生活設計を行うことで、長期的な安定を確保できます。

具体的な対策としては、予算管理の徹底が重要です。毎月の支出を厳格に管理し、収入と支出のバランスを維持することが必要です。また、無駄遣いの排除も重要です。不要な支出を見直し、節約できる部分を最大限に活用することで、持続可能なライフスタイルを維持することができます。さらに、代替収入の確保も有効です。パートタイムの仕事や趣味を活かした収入源を確保することで、資産の補完とすることができます。

お金があると言って、破滅的な遊びをしているとせっかくのFIREが長続きしないね。

6.2 予期せぬ事態への備え

FIRE達成後も、予期せぬ事態に備えることは重要です。医療費や大きな修理費用など、予期せぬ支出が発生した場合に備えるための計画を立てることが必要です。

具体的な対策としては、緊急時の資金計画が重要です。緊急時に利用できる資金を別途確保し、予期せぬ支出に備えることで安心してリタイア生活を送ることができます。また、保険の活用も有効です。医療保険や長期介護保険などに加入し、大きな医療費のリスクを軽減することができます。さらに、資産の定期的な見直しを行うことで、資産状況を常に把握し、必要に応じて引き出し計画を調整することができます。

理想を言えば、手元に緊急支出用の現金があるといいのかもね!

まとめ

「FIRE 4%ルール」が注目されていますが、他の引き出し率を検討することも重要です。引き出し率に応じた具体的な戦略を立てることで、リタイア後の生活を安定させることができます。市場の変動や予期せぬ事態に対する柔軟な対応、持続可能なライフスタイルの設計が成功の鍵となります。この記事が、FIREを目指す若者にとって有益な情報を提供し、より良い未来を築く一助となることを願っています。

最後まで見てくれてありがとうございました!次の記事もお楽しみに!コメントなどお待ちしております!

参考論文概要


2023年 退職する時期:4%引き出しルール (Time to Retire: The 4% Withdrawal Rule) 著者:Rob Brown(経済学博士)

概要
この論文では、「4%ルール」として知られる退職時の引き出しアプローチが最も一般的なものとして取り上げられています。著者は、より高い生活水準を提供する優れた退職ルールを提案することを目的としています。過去の退職引き出し分析が、米国の株式および債券市場の過去のリターンに依存していることや、資産クラスのリターンが独立して同一分布であると仮定していることの2つの重要な欠陥を修正しています。

結論
新しい退職分配ルールは、引退後の生活水準を向上させることが示されています。これは、引退者のポートフォリオの現在の価値に基づいて、年齢と共に増加する割合で分配することにより、月々の分配額を101.3%から174.2%増加させる結果となりました。このルールは、市場が高いときに多くの株を売却し、低いときに少なくすることで利益を得るため、定額引き出しルールよりも高い内部収益率(IRR)を実現します。また、退職者のポートフォリオを生涯にわたって効果的に消費することで、未使用の残高を残さないようにしています。


2019年 FIRE:退職、健康、長期介護の資金調達 (On Financing Retirement, Health Care, and Long-Term Care in Japan) 著者:Ellen R. McGrattan(ミネソタ大学 経済学教授) 著者2:Kazuaki Miyachi(大阪大学 経済学博士) 著者3:Adrian Peralta-Alva(国際通貨基金(IMF)エコノミスト)

概要
この論文は、日本の退職、健康管理、および長期介護の費用をどのように賄うかという問題に直面する状況を分析しています。消費税率の段階的な引き上げが、他の資金調達オプションと比較してより良いマクロ経済パフォーマンスと高い福祉を提供することを示しています。

結論
退職、健康管理、および長期介護の費用を賄うための消費税率の段階的な引き上げが、社会保障拠出金の引き上げや債務融資、健康管理および長期介護の自己負担増加よりも良い結果をもたらすことが明らかになりました。


2021年 日本における退職、幸福、健康 (Retirement, Happiness, and Health in Japan) 著者:S. Okamoto(同志社大学 経済学部 教授) 著者2:E. Kobayashi(早稲田大学 社会科学部 准教授)

概要
この研究は、2004年から2019年まで毎年実施された日本の全国家庭調査を利用し、日本の成人の退職が幸福と健康に与える影響を評価しています。退職が男性の幸福を増加させ、心理的ストレスを減少させる一方で、他の健康指標への影響は観察されませんでした。

結論
退職が男性の幸福を増加させ、心理的ストレスを減少させるが、収入の減少に対する満足度が低下することが示されました。文化的・レクリエーション活動への支出割合が増加することも観察されました。

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